超心理学とは?

 現代科学の枠からはみ出したように見える現象は超常現象と言われています。この中で、人間が引き起こすように思われる場合、それは超能力と呼ばれています。そして、多くの超能力が心のあり方に関係しているようなので、それらの研究は超心理学(Parapsychology、パラサイコロジー)と言われています。

超心理学の対象;

               出展;「超能力の世界」宮城音弥、その他より
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超心理学の現状
 他人がよく切り混ぜたカードの模様やコンピュータその他で注意深く作成された乱数を非常に高い確率で当てることのできる人がいます。また、特別の人でなくても条件が整えば偶然以上の高い確率で当てることができます。「確率」を正しく使っていることは米国を初めとする多くの数学者によって確認されています。そして、これが人間の感覚に由来するようであるが五感を超えているという意味で透視(ESP、Extra-Sensory Perception)と言っています。また、人間がアタマで考えていることを感じ取るように思われることをテレパシーと言い、これらの全体を超感覚や遠感現象と言っています。さらに、将来の現象の予知や、希望するサイコロの目を出すような物理的な力に関する念力などを加えて超能力現象と言っています。死後の生存の問題は研究し難いために長い間別扱いされてきましたが、最近2,30年はこれらの研究を行なっている人もいます。
 国内外の超心理学の研究者によれば、このような現象の少なくとも一部は存在することが実証されたものとされ、その特徴の解明に移っているようです。特に米国においてはスタンフォード大学、デューク大学、プリンストン大学など、またCIAなどの機関においても、長期的に様々な研究が行なわれています。日本では明治時代から東大を初めとして、最近は東洋大学、明治大学、防衛大学校を初めとする多くの大学や機関で研究が行なわれています。インターネットでも優れた資料が入手できます。
 日本超心理学会
 明治大学、メタ超心理学研究室
  超心理学講座
  超心理学の哲学的背景_2003年、明治大学教授;石川幹人
 しかし科学界全体で見ると、現代の科学技術に反するような現象であることから他の多くの科学者には存在自体がまだ認知されていない段階といえます。また、一般の人々においては存在を強く信じる人と全く認めない人が混在している状況と思われます。
 超能力現象については長年の研究により統計的な科学的研究の方法が確立され、発生の条件が少しずつ分かってきています。しかし、再現性よく発生させる方法はまだ十分には分かっていないといえます。最近は、新たな研究分野の広がりと共に研究方法も新しく検討されています。
 超能力現象の解明には宗教的なアプローチが必要と考える人もいます。しかし、ほとんどの研究者は霊魂とか神などを必要としない手法で研究を行なっています。一般的に不思議な現象を解明しようとするとき科学的手法は効率の良い間違いの少ないやり方です。超能力現象の研究を行なっているほとんどの機関では科学的やり方で研究をしています。
 超能力現象の研究法は大きく分けると偶発的な事例の収集・調査と実験的な方法に分けられます。全体的には両方のやり方が補完しあって研究が進んでいます。


超能力現象の研究の意義と魅力
 人間は、五感で外界の変化を感じ取り、筋肉活動により外界に影響を与えています。もし、これ以外のチャンネル、特に超能力現象といわれているものが確認されれば、それが微弱であっても不安定であっても現代科学に大きな影響を与えることが予想され、人間や宇宙の姿の見直しにつながる貴重なものになると考えられます。
 古い話になりますが、「電気」はフランクリンによる雷の研究(1740年)やガルバニーによるカエルの筋肉がぴくぴくと動く研究(1780年)を初めとした多くの研究の積み重ねにより発展し、現代の電力パワーやエレクトロニクス全盛の時代へと進んできました。しかし、それより少し前、万有引力の法則を明らかにしたニュートン(1687年)の時代でも電気は正体が分からず研究法も分からないものでした。電気は雷や静電気として古くから世の中にあふれていたものでしたが、長い間、無視しても実生活には大きな影響のないものでした。しかし、科学的研究の積み重ねにより、乱雑に存在するものを整理し、導体と絶縁体を区別するなどにより電気の性質が明らかにされ、現在に至ったものです。
 超能力現象は解明される直前まで来ているのかもしれません。しかし、まだ決定的なものは見つからず手探りの状態が続いています。研究法は高価な機器が必要なわけでもなく簡単であり、魅力ある研究課題であると思います。

コンピュータによる実験と研究
 超能力の研究には古くからカードやサイコロなどが使われていました。これに対し、コンピュータを利用した実験も米国を初めとして行なわれています。コンピュータで行なう実験の優れている点は、集計ミスを防止できること、また被験者がターゲットを知りうる可能性をきわめて低くできることなど、たくさんあります。
 私も1980年頃にコンピュータを使ってESPの実験を行い、それらは1986年に発行された単行本「パラサイコロジー」大谷宗司編(図書出版社)に収録されています。この実験は、コンピュータで1と0の乱数(ターゲット)を作り、それを推測(透視)で当てるものでした。現在、それをWindowsパソコンで簡単に実験できるようにして、提供しています。開発と実験結果を日本超心理学会の第42回年次大会で発表しました。
 この実験は簡単にいうと透視(ESP)ですが、厳密にいうと広義のESPという意味のGESP(General ESP)になります。なぜかというと、実験が終わってからターゲットの乱数列を表示やプリントしますのでそれを見た人との「テレパシー」が起きているともいえるし、それらを「予知」したともいえるからです。
 なお、機械で発生させる乱数には放射線や電子ノイズなどによる自然界の乱数を利用する方法とコンピュータで発生させる方法があります。私の実験では後者を使っています。これは計算で算出するものですから自然界に存在するような完全な乱数ではありません。しかし、均一であることや人間が知りえないという点では同じに取り扱ってもそれほど大きな問題ではないと考えています。

実験結果の評価
 1と0の乱数列の透視を100回行なった場合、平均の一致数は50です。実際には「ばらつき」があり、これよりも多かったり少なかったりします。一致が55回程度のことは頻繁に起きます。しかし、60回の一致は稀にしか起きません。統計学によれば、20回に1回しか起きないことであれば偶然ではなく何か理由がある(有意)と考えるのが妥当とされています。また、より厳密さを求める場合には100回に1回しか起きない有意レベルを使うことになっています。これを危険率1%の有意レベルであると言います(2項分布検定)。
 超心理学では多くの場合、危険率1%の厳密な有意レベルを使っています。1と0の100個の乱数列においては、一致回数が63回の場合はこの有意レベルになります。つまり、一致回数が63回というのは、偶然である可能性も1%あるが、何か別の理由があると考えてほぼ間違いない、ということです。そしてその「別の理由」というのが、被験者の心理状態と関係がありそうなので超心理学の対象、つまり超能力であろうと考えるわけです。つまり、統計学を適用すれば、63回一致した場合は超能力が発揮された(超能力現象が起きた)と判断してよいとされています。
 なお、一致数が平均よりも異常に少ない場合があり、これも超能力の表れと見ることができます。つまり、一致することを超能力により察知して、何らかの心理状態(例えば、数多く一致することを嫌う)により、わざと一致を避けたものと理解されています。38回しか一致しない場合も、危険率1%で超能力現象が起きたと考えられます。これはサイミッシングと言われています。
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これまでの研究成果
 多くの研究者による長年にわたる研究により超能力現象の特徴が少しずつ明らかになってきています。例えばESPでは目的と一致する数の多い少ないだけでなく面白い特徴が分かっています。そのうちのいくつかを紹介します。

(1)透視実験などにおいて、超能力現象が存在すると信じるグループは一致が多く、信じないグループははずれが多くなる傾向があります。超能力現象が存在しないのであれば、いずれのグループでもあってもほぼ同じであるはずです。したがって、超能力現象があるためにこのような差がおきると考えられています。

(2)例えば透視を100回行なう場合、初期のうちは一致が多く、中間部で一致が少なくなり、最後の部分でまた多くなる傾向があります。もし超能力現象が存在しないのであれば、いずれの部分でもほぼ同じであるはずです。そのためこの差は超能力現象の存在理由とされており、下降効果とか位置効果と言われています。(賭け事などでビギナーズラックと言われる初心者の大儲けも関係があるかもしれません。)
左の図は、ご提供するESP1というプログラムを使って、私が実際にやってみたデータの1つです。
先頭の1〜20回目が最も一致数が多いですが、41〜60回になると平均よりも少なくなり、最後の81〜100回の部分で少し多くなっています。
なお、この100回での一致数は51回でありほぼ平均値ですが、部分的に分解してみると上記のように面白い傾向が見られるということです。


(3)透視などを行なっている途中で、精神的な刺激や負荷を与えると影響のでることが分かっています。もし超能力現象が存在しないのであれば、精神的な刺激と関係なく一致はほぼ同じであるはずです。そのためこの差は超能力現象の存在理由とされています。
 当研究所では、これらの知見を利用して一般の人でも超能力現象を簡単に観察できる技術の開発を行なっています。


(4)超能力現象は、その現象の存在がわかり難い様に働く隠蔽効果(補償効果)があるようです。上の下降効果、位置効果で紹介したように全体では平均程度の一致数になってしまいます。このために、超能力現象は存在しないと言われたり、無視しても影響が少ないことになります。しかし、初めの部分と後の部分を分けて見てみるなど巧妙な仕掛けを作ることで、超能力現象をあぶり出すことができます。

(5)いつも良く当たる人と、外れが多くなる傾向の人がいます。これは、超能力現象を信じるとか信じないということとも関係がなさそうです。外れる傾向の人をサイミッサーと言います。理由はよく分かっていません。

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コンピュータでやり難い実験
 念力とは筋肉の動きを使わずに、考えただけで物を操作することです。乱数発生装置を使い、念力により目的の数字を多く出すような実験をすることができます。(なお、その目的の数字の決め方によってはESPの要素も入ってきますので注意が必要です。)
 乱数発生装置としては、放射線とか半導体装置のノイズを利用することができます。また乱数はコンピュータの計算による方法でも簡単に発生させることができ、ESPの実験ではよく利用されます。
 しかし、コンピュータによる乱数を念力の実験に利用すると大きな問題があります。それは、もし念力が本当にあるのならば、条件によってはコンピュータを壊わしかねないということです。つまり、コンピュータが計算で発生させた乱数が0であった場合、被験者が念力で1を出そうとしておりそれが成功するということは、0を1に変更するということになります。そのためには0を算出した電子回路を誤動作させなければならず、電子回路を壊すことになりかねないということになります。
 念力が存在しないと考える人には冗談のように聞こえるでしょうが、コンピュータで念力の実験を行なうときは注意が必要と思われます。

超能力者と一般人の微弱な超能力
 超能力の研究は、下記のように分けることもできます。
・超能力者と言われる人を詳細に研究する方法
・偶発的な超能力的現象を対象にする方法
・超能力者でない一般の人を対象にする方法、
 超能力者を対象に実験を行なうと、すべてのカードを言い当てるとか、頑丈な金属を曲げたり切断するというような驚くべき現象を目にすることができます。しかし、万が一、実験途中で1回でもインチキをすると全体が怪しいということになりかねません。それだけに実験準備は周到に行なう必要があります。また手品と区別するのが難しいともいえます。さらに、能力者を見つけるのが大変で実験の機会も限られます。一方、偶発的な現象はそれを経験した人にとっては大変魅力的な出来事なのですが、実験的に行なうことができず、再現できません。
 これに対し、普通の人が持っていると思われる微弱な超能力を、工夫をして引き出すことで研究するやり方があります。これによれば、インチキの行なわれる恐れは少なく防止策も簡単であり、誰でも実験できます。これにより超能力現象の存在が明確にできそうに思えます。当研究所はこのように一般の人でも観察できる超能力現象の実験をめざしています。
 また、実験に慣れることで超能力を発揮するコツを体得してもらう、つまり超能力の開発を行なえるのではないかと考えています。

超能力実験で気をつけるべきこと;
 世界的な長年の研究により、超能力実験を行なう場合気をつけるべき事項はいろいろと明らかになっております。下記に、私の提供するプログラムで実験する場合に気をつけていただきたいことを中心として紹介します。
・実験データを修正したり、偽造してはいけません。データの修正、偽造は科学的な研究の邪魔になりますし、個人的にも何の役にも立ちません。また、実験の生データを調べることで修正、偽造が分かる場合があります。
・都合のよい実験結果だけを公表してはいけません。超能力現象の特徴を知るために、不都合な結果を含めて実験全体を公表してください。
・実験の環境を記録してください。実験結果は精神状態と関係があると思われますので、1つの実験(100ラン)はできるだけ同じ条件で行ない、その状況を記録しておいてください。

・あまり多くの実験を一度に行なうのは良くありません。実験に飽きてくることが影響するようですので、通常の実験では一度に多くの実験はしない方が良いと思われます。(目安;1回あたり数ランがよい)

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