ライバル企業の調査 H19.5.8

 PatentWeb/PatSearch Fulltextを使ったライバル特許対策の一例をご紹介します。

例;ハイブリッドカーは大きく伸びると予想されるので、米国特許を対象に、この際いくつかのライバル企業の特許を広く収集して分析することになりました。そこで、検索式を次のように作成しました。

1.hybrid near2 car and ライバル企業 ;約200件
2.capacitor with vehicles and ライバル企業 ;約400件
  ※withは左右のワードが同一文内にあることを指定
 IPCを使った検索式は下記のように、自動車関連企業は電気関係のIPCとandとし、電気関連企業は自動車関係のIPCとandにしました。
3.自動車関連企業and(G06F+H01+H02+H04・・・) ;約2000件
4.電気関連企業and(B60+B62+F03+F25・・・) ;約3000件

 特許の内容を見て技術分類と評価を決めるのは、調査部門ではなく設計部門でおこなうことになりました。ところが、彼らはPatentWebの利用に慣れていません。また、内容チェックの記録や確認、それから他の業務とごちゃごちゃにならないようにする、また数人で分担して作業を進めるためにも抄録や代表図面を紙に印刷し、それを見て内容を判断し、その紙に記入する事になりました。

 ところがそこで問題がおきました。それは、抄録だけでは内容が分からないとき、明細書を迅速に見たいということでした。

 そこで、PatSearch Fulltextのレポート機能により抄録と代表図を表示させ、それを元にSGshotで日本語の翻訳付きで1枚に3件ずつ印刷し、また、SGshotにより電子ファイルを作成してそれも送ることになりました。 SGshotの詳細⇒74(H16.3.22)

 設計者は、(他の業務のかたわらで)紙の抄録を見て技術コードや評価を余白に記入します。明細書を見たくなった場合には、電子ファイルを開いて、紙抄録に書いてある順番を頼りにしてスクロールし、迅速にその特許を表示させ、ワンクリックで明細書を表示させます。なお、SGshotで作成したファイルからの明細書の表示は、USPTOやEspacenetでも行なえるのでPatentWebのパスワードは必須ではありません。

 なお、PatSearch Fulltextのレポート機能では500件までしか処理できませんので、500件以下になるように、企業別に検索し、それでも500件以上の場合には年代別に検索して2,3に分けました。

以下に、実際の画面をみながら詳細を説明します。
 まず、下記は検索結果の画面です。


 「Check All」で全件をチェックし、「Create Report-BiblioGraphic」を選択し、「Go」をクリックします。


 画面右上のインジケータが止まり、全件の抄録・代表図面データが揃うのを待ちます。


 SGshotを立ち上げます。
 

 [IE/OK]のボタンをクリックしてInternetExplorerの画面を読み込みます。


 まず、処理対象の元データを保存する名称が表示されます。(必要なら変更してください。)


 機械翻訳を付ける場合は、「翻訳実施」をクリックしてください。
(機械翻訳するにはPatTranserが必要です)
(また、題名だけの機械翻訳でよければ、ここではなく後で行なえます。PatTranserは不要です。)



 下図は、翻訳している途中の画面です。


 翻訳が終わると、「3件/頁」を確認して[OK]をクリックしてプリントを実施します。


 下図は、抄録を日本文に機械翻訳した1頁3件の印刷結果です。


 下図は、3件目のものを大きく示したものです。左上に小さく「3/308」と印刷されていますので、何件目を見ているかすぐ分かります。


ご参考;下図は、SGshotの翻訳機能で題名だけを機械翻訳したものです。


 次に、明細書を見るためのデータファイルを作成します。下図で「ファイル作成」を選択し、[OK]をクリックします。


 案内にそってファイル作成を進めます。


 下図の右にあるSB070508.htmが出来上がったファイルです。


 下図は、このファイルをクリックして表示させたものです。


 このファイルでは、各抄録の上部にある [Text/USPTO] [Img,Txt/EPO] [Img/全頁] メール をクリックすることで、明細書の参照などを行なえます。
 下図は、[Text/USPTO]をクリックして明細書を表示したものです。


 以上ご紹介したように、1頁に3件の印刷物を見て内容判断の作業を進めることとし、途中で明細書を見たくなったときはファイルを開いて必要な順番までスクロールしてクリックするだけで明細書を表示することができます。


 PatentWeb/PatSearch Fulltextはそれだけでもいいものですが、関連ソフトを上手に利用することでいっそう便利な利用が可能になります。