■■■■■メールマガジン;六車技術士事務所■■■■■  2015.3.23

■概念検索の使いこなしに関する論文集

 「概念検索の使いこなしに関する論文」という記事を情報科学技術
協会(INFOSTA)の機関誌「 情報の科学と技術」、Vol.63,No.3、2015
年3月号に執筆しました。
   http://www.patentcity.jp/patentcity/mugkiji.html

 これは、1998年から昨年末までの概念検索の使いこなしに関する国
内の論文28編の抄録をまとめたものです。原本へのリンクも可能な限
り紹介してあります。

 この記事は数年前から準備していたもので、最初は各論文のおかし
い点や疑問点を指摘するもう少し辛口の内容だったのですが、仕込ん
でいるうちに熟成してまろやかになったようです。

 
■昔々、その24・・・    前←  ⇒次  その1

 南アフリカの首都プレトリアの町は、車道の脇に街路樹がずっと続いている所が多かったです。あまりに良く見かける木があるので聞いてみると、ジャカランダという木で、薄紫の綺麗な花が春、10月に咲くそうです。日本の桜のように実にきれいなのだそうです。

 最近はインターネットでいくつもの映像をみることができますが、本当にきれいです。

 ヨハネスバーグに戻ると会社の出張所があり、そこの所長のSさんが夕食に誘ってくれました。
ところが、帰国後1年くらいした頃、たまたま見た新聞の記事に、”遠い外国で働く出張所職員は慣れない生活で苦労する、つい最近、記者の知人で、某電機企業の南アの出張所にいるSさんが現地で亡くなった”と書いてあり驚かされました。

 さていよいよ帰国。スペイン、ギリシャ、トルコ、エジプト、カメルーン、南アフリカと6カ国を訪問した最後のフライトです。

 英国航空の飛行機に乗り込むとほとんどは欧米人ですが、ちらほらと日本人もいます。スチュワーデスのお姉さんは1人だけ日本人でした。それを見たとき、オー、ジャパニーズ、と思わず親しく話しかけたくなってしまいました。先方は出発直前の案内で忙しく、とてもそんな暇は無かったようですが。

 
 さて、南アが人種隔離政策をとっていたので日本は政治の上では国交がなく、したがって直行便もありませんでした。欧米の主な国もそのはずです。

 英国航空がヨハネスバーグから香港まで便を持っており、その香港で別の英国航空便に乗り換えて羽田に帰ると思っていました。ところが、ヨハネスバーグ空港で分かったのですが、飛行機は乗り換えなしだと言うのです。
 
 つまり英国航空は、便名を変えることで実際は同じ機体なのに別のフライトのようにして、南アから羽田までの実質直行便を持っているのです。さすが経験豊富なしたたかな国・イギリスと思いました・・・その一方で、なにかズルイな〜、とも感じました。国際政治では、ズルイという蔑視が「したたか」という賞賛に変わるようです。

 というか、何をしたら避難されるのか、どこまでならば問題なく許されるのかということを、長い間の外交交渉で常識として知っているのだと思います・・・これは今になって考えることですが。

 日本は政治も経済も、外交交渉も、何でも正直が一番だ、正しいことをしていればやがて人は分かってくれる、と考えがちですが、国際政治はそんな生易しいものではないと、知らねばならい、などと考えています。

 ヨハネスバーグでは朝の4時頃起きて、5時頃空港に向かい、8時頃の便で機上の人になったような記憶があります。昼過ぎにアフリカ大陸側のインド洋に浮かぶセイシェル諸島で給油のために一度降り、再び日本に向かって飛び立ちました。

 出発してから6週間たっていました。食事後、機内は薄暗くなっててきたのですが、私は疲れているはずなのに何か頭が興奮しているようです。眠れぬままぼーっとしていました・・・

 あれは、トルコの首都アンカラのホテルでだったかな・・・、地下の広いレストランで、薄暗い照明のいくつものテーブルを囲んでたくさんの人々がざわざわと談笑し、西欧音楽のようだけどアジア風の間延びしたバンド演奏が流れる風景が思い出されました。なにか印象に残る風景でした。あれから数十年たった今もときどき思い出します、不思議なことです。

 そういえば、数日前プレトリアのレストランでは、私が日本人と分かったらしく、生演奏のバンドがスキヤキ(上を向いて歩こう)を演奏してくれました。バンドマンもこちらを向いてニコニコとしてくれました。気持は良いのですが、何かチップのようなものを出すべきか、単なるサービスと思っていれば良いのか分からず、落ち着きませんでした。

 トルコの暗がりから声を掛けてきたあのお婆さんはどうしているだろう、あの人もときどき思い出します。
 これを書いている私は、とっくにあのときのお婆さんよりも歳とってしまいました。が、気分はまだ30歳代のようです。IT技術の発展は頭の刺激になって老化を防ぐのかもしれません。

 エジプトで熱っぽいときに食べたオレンジは形は悪かったけど甘くて旨かった。そういえば、洗面器で侵入者警報装置を作ったな〜、と思い出して1人で笑っていました。

 ギリシャのホテルで朝食のたびに、まだ子供のようなボーイがコーヒーを出してくれた。食後のテーブルチップを楽しみにして数人のボーイがニコニコと笑って控えていた、それを横目に見ながら食事をする私は、これまでそのようなサービスを受けた経験がなく、どう考えるべきか迷いました。

 私はいつの間にか眠ってしまいましたが、飛行機は片ときもエンジン不調にならず、順調にインド洋を超えて北東部に向けて飛んでいます。技術の信頼性と人間を信じない限り、飛行機には乗れません。
            ⇒次

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