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■SDI活動は研究の源泉

 毎週発行される新しい技術情報、つまり、特許情報を定期的に
受け取るためのしかけを、SDI(Selective Dissemination of
Information)と言います。

何もしなくても自分の研究に合致した最新情報が配布されるので
すから、研究的な活動の基本的なサービスといえます。特許情報
関係者はすでに知っている人がほとんどでしょう。

 ※Selective Dissemination of Informationは「英辞郎」にも
  収録されています。ただし、省略形のSDIは《米》戦略防
  衛構想などとなっています。

ところで、知財スペシャリストへのSDI活動はどうでしょうか?

 最新の知財裁判の判決情報が自動的に配信される体制ができて
いるでしょうか?

★「IP判決e速報」は先週の知財関係判決の抄録を月曜日まで
 に届けるサービスです。無料サービスもありますので、ぜひ
 相談してみてはいかがでしょうか?
 http://www.patentcity.jp/muguruma/ipsokuho/sub1.html


■学者の研究とノーベル賞

 1970年代のことですが、ある大学教授から、自分の研究は特許
をとらずに世間の人に大いに使ってもらうのだと、いうことを聞
いたことがあります。

 そして昨年、昨年の日本人のノーベル賞受賞の先生が、「特許
をとらなかったので、広く使ってもらって良かった」と発言され
ているのを、最近またテレビで報道していました。

 昔はそれでも良かったかもしれませんが、今になってもそんな
考えでは困ります。

 現在の多くの研究者は知的財産の重要性はかなりわかっている
と思いますが、そうでない人も結構いるように思います。誤解を
与えるような報道は如何なものでしょうか?

 以前にも書いたことですが、これは誤った考えであり、マスコ
ミ関係者もそのことをよく知ってもらい、テレビで放送する意味
を考えてほしいものです。
ミスリードしないでいただきたいものです。

 また、両先生のお知り合いの方がいらっしゃれば、よく説明し
てあげて欲しいものです。
両先生が過ちに気づかれて、訂正会見などされるのが一番良いの
ですが。

★そもそも、ノーベル賞の源泉になっている資金が、ノーベルが
 自分の300件あまりの特許で稼いだ金なのです。
★もし、ノーベルが特許で儲けていないとノーベル賞も存在しな
 いことになります。
 スズキさんやネギシさんは知っているのかな?

 本当にすばらしい技術ならば、特許をとり、実施したい人に妥
当な実施料をとって使わせ、その費用をさらにすばらしい研究に
投資していただくことが最良の選択です。

 公的機関の研究者が税金を頼りに研究するというのは、特許の
とれない領域でなら当然のことですが。

 もし万が一、何百億円もの貯金ができたら、もっと賞金の高い、
世界的な賞でも作っていただけば、将来の研究者の励みになると思
います。

   日本の仁科記念賞の賞金・・・50万円が2人に(ある年の実例)
   ノーベル賞の賞金・・・約1億円が5の部門に
    ※6番目のノーベル経済学賞の基金はスウェーデン国立銀行負担

 そこまでやれなくても、タイガーマスク程度のことはできるで
しょう。

 学者、研究者のみなさん、特許を取って、稼いで、その金で有
益な次の研究を加速しましょう。大きな仕事・研究をするには金
がかかります。
ただし、簡単には金の儲かる特許は取れませんよ。

 公知例をよくよく調査して、妥当な権利範囲を設定することが
大切です。簡単には良い特許は取れません。
特許庁の無料のIPDLなどの簡単な調査ではなく、調査専門機
関に依頼しましょう。

 ノーベルも特許出願では異議申し立てを受けて、あわや潰れか
けたところを切り抜けて特許登録に至ったそうです。

   私は昨年、I大学で知的財産法の講義をおこないましたが
   一連のことを紹介しておきました。

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