電子包袋Q&A H15.10.23

MicroPatent社にインタビューした結果をご紹介します。

Q:米国特許の包袋は紙だと聞いていますが、なぜ
 電子的な手段で入手できるのですか?

A:米国特許庁に出向いて、紙の包袋資料をまず紙にゼロックス
 コピーします。それを事務所に持ち帰ります。



左の特許庁のゲートを毎日
何回も行き来します。


 次に目次と照らし合わせて抜けがないかどうかチェック
します。包袋は一定の手続きは必要ですが、それさえパス
すれば誰でもかなり自由に見られるので、その分だけ乱れ
が激しいのです。
この手間を省くと安くできますが、それでは特許の仕事に
使えない恐れがありますので気をつけています。
この並べ替えに結構な時間がかかります。
紙で徹底して
チェックしま
す。

 次に、イメージスキャナーで電子化しPDF化します。
そして最後の仕事は、PDFのインデックス(しおり)
の作成
です。
このように作業工程は多く、けっこう時間がかかります。

Q:電子包袋のメリット・デメリットを教えてください。
A:メリットは、何といっても保存スペースの小さいこと
 と、持ち運びの簡単なことです。
 入手までの日数が平均すれば、紙よりも短いです。二日
 で入手できることもあります。
 さらに、しおりが付いていますので欲しいところが迅速
 に見つけられます。
 デメリットはあまり無いようですが、紙とは違ってパソ
 コンで表示しますので、慣れが必要かもしれません。
 また書き込みできないこともデメリットと言う人もいま
 すが、自分たちとしてはオリジナルの資料に、不用意に
 書き込んだりすることが防げますし、また必要なところ
 だけ紙に印刷すればいくらでも書き込みはできるので、
 デメリットとばかりは限らないかもしれません。

Q:電子包袋の受け取り方は難しくないですか?
A:きわめて簡単です。インターネットでホーム頁を見た
 ことのある人ならまず受け取れます。
 まずメールで電子包袋を置いてあるコンピュータのアド
 レス(URLといいます)を送ってきます。
 このURLに青いアンダーラインが付いていればそれを
 クリックするだけで、受取りが開始されます。
 受取りには、直接表示する方法と、パソコンに保存して
 から表示する方法がありますが、後者が安心でしょう。
 受取りに要する時間は包袋の大きさとインターネットに
 接続している状況によりますが、約1分前後〜十数分程
 度です。

 なお、PDFファイルを選択している場合にはアクロバ
 ット・リーダーというソフトが必要ですが、無料ですし、
 他の多くの場合に利用するのですでにパソコンに入れて
 いる方も多いと思います。

 ※電子包袋の受け取り方としては、CD-ROMで郵送してもら
  うこともできますがこれは通常の郵便ですから、ネット
  ワーク以上に簡単です。

Q:インターネットで受け取ると速いですが、CD−Rで
 簡単に持ち運びできることも便利です。どのように使い
 分ければ良いのでしょうか?

A:インターネットで受け取ったPDFファイルは、パソ
 コンのハードディスクに保存されます。このデータを
 CD−Rに保存することは最近のパソコンでは簡単に
 できます。CD−R自体は50円程度です。
 ですので、特別のことが無い限りインターネットで受け
 取ることが便利だと思います。

Q:包袋の部分取寄せで安くなりますか?
A:ほとんど安くなりません。これは作業量の問題です。
 つまり、包袋のゼロックスコピーやチェックは資料の
 全体を行なう必要があります。安価にやろうとすると
 最初から必要箇所のコピーをすればいいのですが、こ
 れでは特許庁の包袋資料の現状から見て、信頼性が確
 保できません。
 さらに、必要箇所の選択などの時間もかかります。
 このような事情であまり安くなりません。
  ただし、数千頁を超えるような膨大な資料の場合に
 は部分的な指定では安価にできることがあります。
 
Q:頁数の見積もりはできますか?
A:できます。依頼のときに
 Page Count Only. と書けば頁数の連絡をまず行い、あらた
 めて作業開始のご連絡をいただいてから作業を開始します。
 ただし、発注を止めた場合は30$の費用が請求されます。
 発注すれば、この費用は追加されません。

Q:電子的な入手は便利ですが、EPOのように
 無料でホーム頁で入手できませんか?

A:米国特許庁では包袋はすべて紙ですので、しばらく
 の間は、欧州のような具合にはならないでしょう。

Q:一度電子化したものは、早く入手できるのでしょうか?
A:そのとおりです。MicroPatentでは、コンピュータ技
 術を駆使して過去に発注のあったものを蓄積しています。
 蓄積済み特許包袋を依頼いただくと、直ちに発送します。
 日本からの依頼ですと、翌朝には受け取り可能になります。

 現在(2003.10月時点)で、約5万件を蓄積しております。
 問題になる特許は限られていますので、蓄積済みに出くわす
 ケースが結構あるそうです。
 なお、当然のことですが毎年18万件程度ずつ新たに発行
 されていますので、それらは発注を受けてから数日かかり
 ます。

Q:日本語で質問などできるのですか?
A:できます。大泉氏の他にも日本人スタッフがおります。
 連絡先;moizumi@micropat.com
 このメールは、大泉氏が不在のときでも別のスタッフが見る
 ようになっているそうです。安心して利用できると思われます。

Q:包袋にはインターフェアランス関係も含みますか?
A:インターフェアランス(抵触審査)のリクエスト書類などは、
 特許の審査の包袋に追加されます。しかし、リストに記載されてい
 ても、実際に包袋には含まれていないこともあります。このよう
 に、書類すべてが審査包袋に含まれているとは限りません。
    なお、下記USPTOのPAIRシステムで、各特許の
   包袋に入っている書類のリストを見ることが出来ます。
   http://pair.uspto.gov/cgi-bin/final/home.pl

 インターフェアランスの書類自体は、特許審査の包袋とは別に、
 抵触審査包袋にファイルされます。
 つまり、包袋は詳しく言うと下記の3種類があります。
  (1)特許の審査包袋(+技術文献)
  (2)特許の審査包袋内のインターフェアランスに関する書類のみ
  (3)特許の抵触審査包袋
 (1)(2)は,通常のホームページからの申し込みで可能ですが、
 (3)はホームページからの申し込みは難しいです。インターフェ
 アランスの経過の全て分かる抵触審査包袋は上記の大泉氏あてに
 メールを書くのが確実です。