USPの近傍検索  H12.8.2

PatentWebに限らず多くのデータベースで、and,or,not,( )などが使えます。しかし、これだけではノイズ(不要 なもの)が多く出すぎる場合があります。 情報検索の技術とは、漏れ少なく、ノイズ少なく、目的の情報をコンピュータ から引き出すことですから、ノイズの多すぎることはまずいことです。

near(語順不問の近接語)や、adj (語順通りの近接語)による検索でノイズを 減らすことができます。PatentWebはこれがよくできています。

例;digital near4 video near4 disk ・・・deigitalとvideoが4ワード以内  にあり、videoとdiskが4ワード以内にあるものを探します。数字は自由に変えられます。
 ★nearを2個続けて使えるのはうれしい機能です。もちろん1個でも可能。
   adjも同じように使えます。
例;printer and (thermal or heat) near5 (bubble or jet or ink)
 ★( )の中にorで幾つかのワードが指定できるのも本格的な機能です。

 期間など;1999年1月から最新までの米国特許、約23万件
 調査技術;デジタルビデオディスク

1.Micro Patent社のPatent Web
 digital near4 video near4 disk
対象;全文 near4  585件・・・ちょうど妥当な件数のように思われます。
      near3  552 ・・・3ワード以内にするとやや減少
      near10  729 ・・・10  〃       増加
  digital and video and disk 4434件 ・・・多過ぎます。これでは,ビデオ信号を処理するためマイクロプロセッサのデジタル信号をハードディスクから読み出す,など直接関係のないものも取出してしまいます。つまり、条件が緩やかてノイズが多過ぎます。

2.IBMデータベース
 digital near4 video near4 disk
 対象;抄録とクレーム near4 28 ・・・少な過ぎます。
            near3 28 ・・・3ワード以内にしても同じ
            near10 35 ・・・10 〃   すると増加
            and  91 ・・・緩やかにすると増えます。
  対象が全文ではなく、抄録とクレームなので少なく出ています。

3.USPTOデータベース
 digital and video and disk
対象;全文    and 4529件 ・・・近接指定ができないのでand条件の検索のみです。多すぎて見るのが大変です。

コメント・・・この技術分野は年間で数百件出ています。全文明細書を対象にすると漏れのない検索が可能です。また、近接演算を行なうと件数を大きく絞った検索が可能です。
 少々漏れてもいい簡単な技術調査なら2.でもいいでしょう。
◎漏れをできるだけ減らしたいが、あまり多く見るのも大変だと言う場合は、 1.PatentWebが良いように思えます。

注意. なお、1.PatentWebでは、2.と同じように抄録とクレームに限定した検索も可能です。
 2.と3.は無料です。 1.PatentWebは無料ではありませんが、一定額 を払い込んでおくと無制限に使えますので便利です。それに、抄録と代表図面をいっぺんに500件ずつ出力させられるのも大変便利な機能です。この 機能がないと本格的な調査には使えないと思われます。