パナジウム? H21.7.9

 パナジウムを使った電池に関する技術を検索することになりました。急ぐとのことで、電話で聞いて検索を行ないました。

ところが、PatentWeb/PSFTで検索してみるとうまくいきません。
2005年以降で、panadium・・・0件、
ただし、1971年以降を見ると4件あります。
  キヤノン   2件
  ドイツの会社 1
  Mobil Oil   1

そこで、Googleで「パナジウム」で検索してみると、「もしかして: バナジウム」と表示されました。また回答として並んでいるのは、血液サラサラ・パナジウムとか、パナジウム水;浄水器で健康、富士山のパナジウム水などばかりです。
Wikipediaで定義を見ようと考えて「パナジウム wiki」で検索すると、やはり「もしかして:バナジウム wiki」と出てきました。バナジウムを見ると原子番号 23 の元素と出ています。

これではっきりしました。パナジウムという元素はなくバナジウムが正しいのです。PanadiumではなくVanadiumが正しいものです。PatentWeb/PSFTで検索すると、
2005年以降、Vanadium・・・8,143件
vanadium near20 (Battery or cell) ・・・216件

ところが、その夜、パラジウムというのがあることに気がつきました。「パラジウム wiki」で検索してみると原子番号46で貴金属とのこと。PatentWeb/PSFTで検索すると、
2005年以降、Palladium・・・21,894件
Palladium near20 (Battery or cell)・・・187件

必要な技術はどちらであるのか分からなくなりました。ちなみに、両方を持つ特許を検索してみました。
(Palladium near20 (Battery or cell)) and (vanadium near20 (Battery or cell))でも、ほぼ瞬時に検索できます。
もし、式番号のand検索を行なうときは「Serach History」をクリックし、下図のようにCombine queriesボックスに「9 and 8」などのように式番号を入力し、[Combine]ボタンをクリックします。



新たに10行目ができるので、その run をクリックして実行させます。



この結果、回答は9件でした。つまりVandiumとPalladiumの両方が出てくる電池関係の特許が9件あることが分かりました。

ここでまた、気が付きました。Palladiumの変形が気になります。PaladiumとかParadiumです。
2005年以降で、下記の件数がみつかりました。
 paladium・・・121件
 paradium・・・ 50件

また、palladiumで検索できてない件数を見てみると、下記のとおり合計で77件ありました。
paladium not palladium ・・・50件
paradium not palladium ・・・27件
(paladium or paradium) not palladium 77件

palladiumでは21,894件ですので、77件は0.4%であり多い割合ではありませんが気をつけたらよいと思われます。
電池との近傍検索をしてみると結果は187件で、palladiumだけの場合と同じでした。
(palladium or paladium or paradium) near20 (Battery or cell) ・・・187件
したがって、この場合はpaladium や paradiumによる追加の意味はありませんでした。

また、この77件の内容をみてみると、明細書の中間あたりに使われていることが多く、発明の主要な事項ではないものが多いようです。とはいえ、中には下図のような、半導体のレイヤー構造などに関する特許もありますので、場合によっては無視できないこともあると思われます。



検索に急いでいても「急がば回れ」の原則は大事です。依頼事項を全部書き出してもらうのが一番良いのですが、少なくともキーポイントになる材料や装置の名称は紙に書いてもらうこと、また類似のものがある場合はそれをうまく聞き出す技術とか、間違わないように先回りして考える能力が必要です。