審査引用の文献の利用 H19.2.17

 既に分っている資料から類似内容の特許を探す方法の一つとして
審査引用の文献を利用することができます。

 ところが、審査引用の特許番号にくらべて、一般文献の場合は
記載法がまちまちであり、探し難い問題があります。とはいえ、
そのような問題があるからこそ、上手に利用する方法を身に付け
れば、ライバルに勝る調査結果をあげる可能性が出てきます。

 下記はある条件で検索した結果です。
2件目をクリックして明細書を表示させようとしています。


 明細書の中に、下記のようにNon-Patent Citations: という
見出しがあります。これが、審査で引用した特許以外の一般文
献のリストです。

 

1件目の下記資料は。144〜150頁にかけて書かれているようですから
相当に厚い資料のようです。
P.W. France, "Optical Fibre Lasers and Amplifiers" 1991, pp. 144-150.

余談になりますが、もし、これがどのような資料であるのか知りたい場合には、これを
Googleなどで検索してみることも有益です。その際、頁数は入れない方がいいでしょう。
また、下記はGoogleに貼り付けたとき、条件によってはカンマがあったり、また特殊文
字が混入することがありますので、そのような場合は外すことが必要です。


 P.W. France, "Optical Fibre Lasers and Amplifiers" 1991

 上の例では、名前の後ろのカンマと、" が2箇所に混入したので、
それを消して検索しました。

  P.W. France Optical Fibre Lasers and Amplifiers 1991

下記はその検索の結果です。


 その結果、これは下記のように単行本であることがわかりました。


 これを審査引用している他の特許を見つけるには、
Limited by:の欄を「Nonpatent Citations」として、
P.W. France Optical Fibre Lasers and Amplifiers 1991
などを入力するのですが、そのままでは不都合のある場合が
あります。下記のままではエラーになります。


 PatentWebでは、ピリオドは無視されますので
P W France Optical Fibre Lasers and Amplifiers 1991 と入力
したことになります。このとき、Wが何かと間違われておかしくなり
ます。


 また、PやWは名称の先頭のアルファベットですが、必ずしも略
号でない場合もありますので、このままではまずいことが多いです。
かといって、一文字では、P* とか W* のように前方一致もできま
せん。

 対策としては、PとWは捨てて、下記のように、その他で検索する
ことが良いと思われます。

France Optical Fibre Lasers and Amplifiers 1991

ただし、これでは、Franceという人と、Optical・・・という題名が
同じ記事ではなく、他の記事に出る場合も検索してしまいます。
実際に検索してみると、20件の回答がありますがその中には、下記の
ように当たりでないものが多くあります。



 これを避けるためには、下記のように、題名を""で囲い、名前と
発行年は、withという同じ行内に限定する近接演算子を使うのが
最も厳密な検索式です。

France with "Optical Fibre Lasers and Amplifiers" with 1991

 これにより、自分以外に、もう1件あることが分りました。



 この2件目を見ると、下記のように確かに同じ記事が引用されています。



 しかし、この記事の記載は、下に示すように最初の1件の記載とは
少し異なっています。



 上記の例以外にも、例えば下に示すように、同じ記事がいろいろの
書き方をされます。

"Solid State Chemistry" with "White Light Emitting Glasses"で
検索してみると、下記のようなもの見つかります。
(1)US7078732 B1  OSRAM GMBH 優先権はDE


(2)US6592780 B2 OSRAM OPTO SEMICONDUCTORS GMBH

(3)US6600175 B1  ADVANCED TECH MATERIALS


審査引用の一般文献を利用するときは、このような点に気をつけて
利用することが大切です。