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■特許情報データベース検索の通信教育?

 特許情報データベースの通信教育は役に立つのでしょうか?
 
 現在、あるところで特許情報データベースの通信教育の講師をしてい
ます。ところが、最初は私自身が、通信教育など役に立つのだろう
かと思っていました。また、特許情報データベースの教育関係をしてい
る知人もそう言っていました。

 ところが、受講後、演習問題をやってもらうと、やって良かったなと
思うことがたくさんありました。受講者の方も投資した分の元をとった
と感じておられるのではないかと思います。

 実は演習やっていない人もいます。どんな講座もそうですが、せっか
く受講したのだったら、ぜひやった方が良いです。理解が深まります。
 演習を出さない人が、「講座の内容はだいたい知ってたよ」と言う人
だと思うと・・・悩ましい。いや恥ずかしい。


■特許データベース検索の社内教育はどうやれば?

 ◆昔、社内の研究所の研究員から検索でうまくやれないと相談を受け
たことがありました。見せてもらうと、ナント!!、andとorを逆に使って
いるのです。
その個人の問題と思っていましたが、何年か後にまた同じように逆にし
ている事例を見たことがあります。

 研究員ですから論理演算(ブール演算)は当然知っているはずですが、
日常的に使わないとか、and,orを*、+で表現するときに間違いをする
ことがあるようだと気付きました。そういえば、昔々、私も入社当時、
先輩から手ほどきを受けたとき、やはり間違ったような記憶があります。

  1970年、特許番号と題名だけを入力してデータを作成し、これを磁
  気テープに保存しておいて、キーワードをand、orでつないだ検索
  条件を与えて検索の実験をしていました。検索条件を間違うと、ま
  た30分位かけてやり直しですからその間に夜食のうどんを食べに行
  っていた時代です。
  また、プログラムを修正してはカード(注1)から読み込ませてい
  ました。
   注1・・・カードは磁気カードではありませんゾ。紙に穴の開い
    たパンチカードというものです。1,000行のプログラムなら1,000
    枚のカードを読み込ますのですから大変でした。プログラムの
    作成は下手だけど、カードの読み込ませは上手と言う人もいま
    した。

 ◆社内データベース検索が始まった平成8年頃、相談を受けた事例は、
検索に1時間もかかっているがコンピュータが壊れているのではないか
というものでした。見てみると検索式を20行近くも書き連ね、数百万件
の集合をいくつも作り上げ、何を検索しているのか意味が分からないよ
うなものでした。
コンピュータも壊れかけていたかもしれません。(~_~;

 ◆最近は、近傍検索が簡単に使え、前後のワードもor指定ができるの
で、検索が楽になりましたね。難しい検索式にしないでも効率的な検索
ができるようになりました。

また、何十件もの要約や請求範囲を流し読みできるし、ワンクリックす
るだけで明細書全文を2,3秒で表示できるし、その引用特許も即座に参
照できるなど、本当に調査が楽になりました。数百件の特許でもそれほ
ど時間をかけなくても内容をチェックできます。

しかし、研究者や特許エンジニアのようなエンドユーザが、それらを
使えるようにするのは難しそうです。

   今では笑い話ですが、抄録文のオンライン検索ができてもその
   明細書を見るには1件ごとにCD-ROMを棚から取り出して機械に
   かけて読む時代がありました。その面倒なこと、面倒なこと。
   
   そのため検索で、できるだけ少なく(数十件まで)絞るように
   努力していました。漏れを増やさず、件数を絞りこむことに命
   を懸けていました・・・ちょっと大げさ? でも本当に、
   「一所懸命」にやっていました。

 ◆エンドユーザにはまず、概念検索が最適ですね。上手に使えば、
結構使えます。下手に使うと「役に立ちません」と言う結果になりま
す。何とかとハサミのようなものです。

 特徴を知っていても、それをちゃんと教えるのは難しいです。5,6
年前のことですが、ある会社の調査検索の代表(窓口)の人たちに、
検索式と概念検索を教えたことがありました。そうしら、終わりに感
想として「概念検索は難しそうだから、まず検索式から社内に広める
ことにしましょう」と言われてガックリしたことがありました。
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