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 中国ではWTO(世界貿易機構)加盟を契機に、国内外企
業による知的財産の獲得競争が激化しています。

 中国での特許出願は、最近10年間に劇的に増加してい
ますが、2001年(50,365件)から2005年(155,447件)に
かけての5年間では、3倍以上に増加しています。

この件数は、日本公開特許(2005年は約35万件)と比べ
ると約半分ですが、ヨーロッパ公開特許(2005年は約12万件)
を超え、米国登録特許(2005年は約16万件)と肩を並べ
るほどの状況です。

 このような状況のもと、株式会社レイテックでは、中国
特許の検索システムを2004年から、CN/Webとして
サービスを行っており、日本語のキーワードや出願人で
検索できます。

CN/Webは、英文や中国語でなく日本語で検索でき、
日本語(機械翻訳)の抄録や請求範囲を表示できるのが
最大のメリットです。

収録内容;公開特許、実用新案、公告特許、意匠、約250万件
収録開始;1985年
収録ライムラグ;約1ヶ月

◆CN/Webによると、2006年の公開特許は、8月9日までで
 102,463件に達しており、今年も15万件前後発行され
 そうです。
※WPIデータベースは、3ヶ月ないし5ヶ月くらい遅れて
 いるようで、それに対し、タイムラグ1ヶ月というのは
 すばらしいです。

 下の表は、主な出願人とIPC(国際特許分類)のCN/Web
による件数です。

 表1. 2006年1月?6月末までの公開特許件数

出願人        出願人        IPC、国際特許分類
ソニー   775件 トヨタ自動車 211件 A61K(医薬品)   6943件
松下電器  1255件 ホンダ技研  297件 B41(印刷)     872件
キヤノン  461件 三星電子   1721件 F02(エンジン)   752件
日立製作所 309件 LG電子   735件 G06F(コンピュータ)5172件
東芝    487件 IBM    724件 H01L(半導体)   4103件

エレクトロニクス関係や自動車など多くの業界から出願
されているのがわかります。
技術別に見ると、医薬品関係は圧倒的な件数が中国企業
や中国人の個人から出願されています。
また、コンピュータや半導体関係では日本企業も多いの
ですが、中国人による出願も多くなっています。

 このような増加の背景としては、外国からの出願増と共
に、中国人自身による出願の増加があるようです。

 最近、日本製品が中国特許を侵害したとして訴えられ
るケースも発生しています。今後は、中国への製品輸出、
中国での製造、販売においては事前の特許調査が必要に
なってきたといえるでしょう。

 また、中国への特許出願の費用は欧米並みの手数料が
かかりますので、出願前に中国特許自体を事前に調査し
て、有効な特許取得を計画することが必要です。

 このような状況にかんがみ、PatentCityではCN/Webの
使い方に関する紹介記事の掲載を始めました。
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 http://www.patentcity.jp/patentcity/

◆◆判決速報◆◆
 知財関係の判決は9月は10日頃までほとんど無し。
 涼しくなったのでそろそろドカッと判決が出そうです。

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